「ズレた反論」らしいよ!

 呼ばれたようなので。
http://d.hatena.ne.jp/tackman/20090828
[引用]id:Chikirinのエントリの主旨は、生産性(量の問題ではなくて、投入リソースあたりの儲けという意味で)低い農家を温存する補助金氏ねとう効率の問題と、なんちゃって農業と一票の格差で政治家と暗黙の癒着して補助金もらってる既得権者氏ねという公平性の問題のはず。
 これ、本気でそう書いてるのかな。その部分も含まれるが、公平性の件は経済的な合理性から民主主義の一票格差の話に飛躍しているのが、かの論述の問題点だろうと思うが。
[引用]しかし、ちきりん氏の議論は(恐らく本人も無意識だろうし、明示はしていないが)米作ベースで行っている。米作ベースの話をしているから、小規模=低効率、大規模=高効率というイコールを前提に話しているのだ。それに対して、「いや小規模でも頑張ってる(頑張っているという言い方が曖昧なら、儲かっている)農家いるんですよ」という反論をしている。まるで噛み合っていない。
 どこが噛み合わないんだ? 確かに米価政策や減反など米関連の農政に失政があったのだから、それをid:Chikirinが批判するのは問題ないが、米作の経済効果は農業全体のごく一部に過ぎないのに農地や補助金の問題を包括的に議論して、そこから一票格差に基づいた民主主義のあり方全体まで論述しようとしているから無理があると指摘したまで。
 論題を読み解けていないのはid:tackmanのほうであって、農業統計はきちんと読めという話だ。作付け商品別の所得一覧とかも目を通しておくべきだ。
[引用]「農業収入が主な主体の集約化は進んでいる」と微妙に誤魔化しているが、このセンテンスが真だとしてもそれを以て小規模米作はいないかの如き前提を示したことにするのは問題だ。
 意味が分からない。小規模米作が何でいない前提になっちゃうの?
[引用]公平性について、小規模農家の政治的発言力が強いからこうなるのだと認めた段落から、いきなりアメリカやカナダのような大規模化は無理だから別の道云々という方向に持っていくのはいかがなものか。
 論述するにあたって、同パラグラフで論理構成を組んでるなら問題だが、ちゃんと段落分けして論じてるんだから、それは言いがかりだろ。小説みたいに「さて」とか入れればいいのか?
[引用]そもそもここ数回の選挙では、非効率な農家には退場して頂くとか言い放った政党に覚えがない以上、その手の統計がないことを言うのはナンセンスだ。そもそも特定層がどこに投票したかの研究ってやってよかったっけ?
 「数回の選挙」と書いてるけど、国勢では要するにここ2回の選挙のことだよね。本文では書かなかったが、2回とも主要政策別の投票行動分析は党レベルではきちんと測定しているよ。「非効率な農家には退場して頂くとか言い放った政党に覚えがない」そうだが、戸別補償に関する地方首長選の議論とか、たぶん読んでないのだろう… 別にいいけど。
 問題とすべきは、偽装農家状態で補助金をせしめている自称就農者をパージする仕組みがなく、結果として不公正な農政が引き続き行われていることであって、そういう意味では民主党の農業政策は戸別補償を持ち出した時点で55年体制時代の自民党農政と大差ないと思っている。石破茂さんが農相になってから随分変わるかというところだったが、政権与党から滑ったら時代は逆戻りかも知れんな。
 言及されたところにだけ微妙に触れたけど、あのid:chikirinの記事、本当に粗悪だと思うよ。他の記事ではまともな論述も多いだけに、非常に勿体無いというか、残念に思った。

参考:毎日jp 毎日新聞 2007年10月21日 3時00分
http://mainichi.jp/select/biz/news/20071021k0000m010106000c.html
 自民党は、農業経営の規模拡大を促すため大規模農家に補助金を厚く配分する政府の農政改革を見直す方針を固めた。併せて、下落している07年産米の価格の下支え策にも着手した。同党は7月の参院選「1人区」惨敗について、「兼業農家を中心とする農家の自民党離れが要因」と分析。農家への戸別所得補償制度を掲げる民主党に対抗するため、次期衆院選に向けて小規模農家への配慮を打ち出す必要に迫られた。
 自民党農業基本政策小委員会(西川公也委員長)で具体案を検討し、今月中にも米価対策を打ち出すほか、農政改革も11月中旬までにまとめ、来年度予算に反映させたい考えだ。
 政府は農政改革として、コメや麦などを作る農家について、「担い手」となる大規模農家に補助金を厚く配分する「品目横断的経営安定対策」を今年4月に導入した。補助金交付対象を(1)4ha以上の田畑を持つ単独農家(2)同20ha以上を持つ集落営農組織(小規模農家の集合体)−−に原則として限り、農地集約と大規模経営を促す内容。自民党内では制度は維持しつつ(1)補助金が交付される対象の基準を市町村判断で緩和する(2)補助対象品目を現行の5品目から拡大する−−などの見直し案が浮上している。米価対策については、過剰米の一部買い上げのほか、全国農業協同組合連合会(全農)がコメの販売委託を受けた際に農家に支払う「仮渡し金」の積み増しなどが課題に挙がっている。
 自民が農政改革の見直しを急ぐ背景には、民主党参院選で、比較的規模が小さい兼業農家も対象とした総額1兆円程度の「戸別所得補償制度」導入を提唱した経緯がある。同党は同時に、政府の農政改革を「小規模農家切り捨て」と批判しており、自民党内では、参院選で地方離反の一因となったとの不満が強い。19日の小委員会には党所属議員約90人が参加し、「専業農家の数はわずか。中山間地の農家は置いてけぼりだ」(増原義剛衆院議員)など、兼業農家重視を求める声が噴出した。
 小委員会は農水官僚の出席を認めず、農政改革の見直し作業を加速させる考えだ。ただ、こうした動きに都市部選出議員からは「選挙目当てのばらまき」との懸念も出ている。【竹島一登】

これはどういう理論構造だろう

http://akiharahaduki.blog31.fc2.com/blog-entry-344.html
[引用]舛添、橋下人気、安倍、麻生安泰に見られるように、依然として新自由主義を支持する極右的強権的な体質の政治家の一定の人気は続くでしょう。
 新自由主義は極右だったんだ。橋下氏は新自由主義ではなくリバータリアンだけどねえ…。新自由主義者はこの中では安倍さんだけだと思うのだが、床屋談義にも程があるのかしらとちょっと思った。まあ、左翼からすると中道でも右に見えるものなのかも知れない。

夕刊フジに優勢と伝えられる

 東京一区の与謝野さんがなぜか夕刊フジだけ優勢扱いに。2区から7区まで全滅とか、まあ普通の見立てだけど、他の選挙区の情勢とか見ているとどういう基礎データから判定かけているのか良く分からない点もある。少し古いのかもしれない。でも単独メディアの独自調査って的中率七割出れば良い方で、最近は精度も上がってきているから期待してもいいのだろうか。

http://www.zakzak.co.jp/top/200908/t2009082838_all.html

 なお、海江田さんは義塾の文連の先輩であることは秘密だ。