試験的に書評でも開始してみるテストについての緊急アピール

 だいたい週間2冊ペースで本を読む私が自信なく送る、勝手に書評サイトでも作ってみようかと思った。もちろん、ただの思いつきであり、ほかにやるべきことが山ほどあるだろうというような批判は一切容認しない。

 栄えある一冊目。

テレビゲーム解釈論序説/アッサンブラージュ

 『テレビゲーム解釈論序説/アッサンブラージュ』という本。著者は、八尋茂樹氏という研究者っぽい人。

 ゲーム批評とかそういう文脈関係なしに、過去のゲーム素材に対する解釈と、輸出した際の表現変更、修正の中身を見るだけで面白い。例えば、コーエーの「蒼き狼と白き雌鹿」初代を輸出する際には超重要仕様のオルドが削られてるじゃん、とか。つーか子供できないからゲーム成り立たないよ。征服に夢を馳せる男の浪漫の半分以上が台無しになるという圧倒的な仕様変更がされている現状とかがいい。

 なんつーか、ゲームの分類が変。あんま産業分析とかはやっておらんようだ。むしろ、GTA3バッシングとか、そういう社会とゲーム業界の遭遇のような、そっち方面の問題意識が強いみたいで。ゲーム脳(笑)は? みたいな。

 昔からのゲームの文脈が分かっている人か、ゲームの制作で煮詰まってマーケティングもあわせて考えなきゃいけない人向けではないかと。少なくとも、それなりにヘビーにゲームを遊び、あるいは仕事にし、文系的なアプローチで概念をまとめる必要性に迫られている人であれば、かなり切迫感のある内容。考えがある程度あれば、文句なしに面白いですよ。

 願わくば、ワールドワイドで売らなければペイしなくなったゲーム業界が、表現系を国内ドメでやるジャンルと世界で勝負するジャンルで分け始めてる流れとかまで指摘して欲しいなあ、というか、そういう面で筆者の見解を聞いてみたいなあというのが惜しまれる点であり。あと、ゲーム制作と世界観創造における世界観の違いとか、そういうもんかなあ、聞いてみたいのは。

 んなとこ。興味ある奴は買って嫁。